経営者の備え 退職金・7選

こんにちは、UCnote担当です。
経営者の方は、ご自身で退職金を準備しなければなりません。そこでいくつか方法をピックアップしてみます。なお制度や税務は変わっていく場合があります。作成段階の制度ですので、ご了承ください。
■結論
・退職金を準備する方法はいくつかあります。
・拠出段階での税務は方法によります。
・退職金を受け取る場合、役員報酬よりも所得控除額が大きくなることが多いようです。
■退職金準備
まずは法人での準備です。
1.預貯金
退職金積立金として積み立てます。
・全額資産計上です。
・状況によって取り崩すことも出来る自由度の高さが良い点です。その分貯めにくいとも言えます。
・退職のタイミングは問いません。
2.保険
解約返戻金のある保険でお金を貯めます。終身保険、定期保険、養老保険、がん保険などが一般的でしょうか。解約返戻金はいつ、どのくらい貯まるかは千差万別です。選ぶ保険で全く異なりますのでもし検討される場合はいくつかの保険会社の商品を比べることを推奨します。
・保険料が損金(多くは一部損金)になる保険、ならない保険があります。
・貯金よりもやめにくいので、強制貯蓄としての機能を期待できます。
・契約時点にいつ頃いくら貯まるかの見通しがたてられます。(継続前提)
・状況によっては解約・一部解約(減額)契約者貸付等で現金化できる点も特徴です。
・解約のタイミング(特に短期の場合)によっては、払い込んだ保険料よりも少なくなることも多いです。退職のタイミングと合わせられるのかはネックです。
3.経営セーフティ共済(倒産防止共済)
取引先が倒産した場合に、払い込んだ掛金の最大10倍までの借り入れを受けることができます。
・掛金の全額が損金です。
・貯められるのは最大800万円までです。
・貯まった返戻金はそのままおいておけるので、(払いきった後は)タイミングの自由度は高いです。
・一度解約しても、再度同条件で再加入することも可能です。
4.企業型確定拠出年金(企業型DC)
拠出額を固定し、長期投資をして年金を用意しようという制度です。金融機関や運用商品は企業が選定し、その中から個人が運用商品を選びます。原則的には全員加入の制度ですが、この制度を利用するかどうかの選択が可能な仕組みもあります。現在は、原則60歳~75歳の間に受取を開始できます。
・拠出額は、全額損金算入が可能です。個人の所得税もかかりません。
・受取り時には年金か一時金かを選択できます。どちらかで税務が変わります。
・いくら貯められるかはわかりません。
・企業側は制度導入と維持にコストがかかります。
・退職時は、個人型に移管します。
・倒産や合併などがない限り制度は廃止できません。廃止した場合は、個人型に移管します。
・投資結果はあくまで自己責任です。
5.現物給付
保険や住宅等を現物で支給するという方法も取ることができます。
・現金を使用せずに個人で所有することができます。
・保険は商品の特性(解約返戻金の推移や、保険料支払期間等)に応じていくつかの対応が考えられます。
ここからは個人での準備です。
6.小規模企業共済
中小規模の経営者や役員、個人事業主の方等が加入できます。月額1,000円~70,000円(500円単位)の掛金で選択できます。前納すると、一定割合の前納減額金を受け取ることができます。
・掛金は全額所得控除です。(1年以内の前納含む。)事業の経費ではありません。
・満期はありません。
・共済金(解約手当金含む)の受取事由や受取り方によって、金額や税務が変わります。
・任意解約をした場合は、掛金合計額を下回ります。(納付20年未満の場合)
・受取れる金額の見通しが立てられます。
7.個人型確定拠出年金(iDeCo)
企業型確定拠出年金の個人版です。ご自身で金融機関を決め、口座を作成し、運用商品を決めて金額を決めて開始します。金額も商品も途中で変更可能です。なお拠出の限度額は、企業型確定拠出年金があるかなど、他の制度の利用状況により異なります。
・基本的には一度始めたらやめられず、途中で払い出しもできません。
・掛金は全額所得控除の対象です。
・受取り時には年金か一時金かを選択できます。どちらかで税務が変わります。
・いくら貯められるかはわかりません。
・投資結果はあくまで自己責任です。
■退職金
税務につきましては、税理士資格を有する方や、所管税務署等へご相談ください。
▼目安
役員の退職金の一般的な計算方法は
最終報酬月額×在任年数×功績倍率
たまに聞く功労加算金は、功績倍率に含まれると考える方がより安全のようです。
▼分掌変更
分掌変更とは、役員の肩書の変更です。 退職金で考えた場合、役員業務の完全なる変更と役員報酬の大幅な減額が必要です。特に問題になりやすいのが社長から会長への変更とのことです。会長職に就いた後でも経営に関わってしまうことはたまにあるようですが、税務上は危険とよく目にします。もし退職金として認められないと役員賞与になります。すると法人税や株の評価額、個人でも所得税、加算税、延滞税等が生じる恐れがあるそうです。お気を付けください。
▼法人税
退職金は全額損金扱いになります。ただし過大とされた場合は過大部分が、否認されてしまうと全額が役員賞与扱いになり、損金になりません。課題の場合は所得税には影響がないそうです。
▼所得税
一時金で受け取る場合は、分離課税です。分離課税は、他に収入があっても合算しません。そのため退職金のみを見て計算します。ただし他の退職金がある場合は別です。(以下の※3つ目。)
退職所得控除額の計算式 =(退職金-退職所得控除)× 1/2
※勤続5年以下の特定役員を除きます
※年金で給付する場合には税務が変化します。
※受取の4年以内(確定拠出年金は19年以内)に他の退職金がある場合には控除額等が調整されます。
■まとめ
・退職金は、企業が用意するだけでなく、個人でも用意する(できる)時代になってきました。
・退職金の準備や受取り時には税務が大きく関わってきます。
■問い合わせ先
保険の質問やご相談は以下のフォームがございますのでご覧いただけると嬉しいです。
https://unite-consulting.co.jp/contact/
質問や感想でも構いませんので、お気軽にお問い合わせください。
■参考
▼独立行政法人 中小企業基盤整備機構(中小機構)
・経営セーフティ共済
https://www.smrj.go.jp/kyosai/tkyosai/index.html
・小規模企業共済
https://www.smrj.go.jp/kyosai/skyosai/
▼国税庁
・タックスアンサーNo.5208 役員の退職金の損金算入時期
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5208.htm
・退職給与
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/hojin/09/09_02_07.htm
・No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1420.htm
・No.2735 同じ年に2か所以上から退職手当等が支払われるときhttps://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2735.htm
・退職金と税
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/02_3.htm