こんにちは、UCnote担当です。
保険はいつ、どのように生まれたのでしょうか?
諸説あるようですし各国にルーツがあることでしょう。今回は一般的に言われているヨーロッパ史から、損保の概念~近代的生命保険会社の誕生までを見ていきます。
目次
■損害保険
保険のルーツは損害保険というのが主流のようです。
▼リスクへの備えは4000年前にはあった
紀元前2250年ごろ、ハンムラビ王の時代に覚書のようなものが残っているそうです。このころは交易が盛んでした。今と同じように自然災害や、また盗賊や海賊に襲われてしまうなどのリスクがありました。それに備えていたようです。
また古代ギリシャでも航海が盛んになりました。嵐や海賊などに襲われてしまうリスクがあったため、荷主と船主で損害を分担して負担するという習慣があったようです。
4000年以上前にはあったと考えると、リスクへの備えは人間や経済の活動には切っても切れない関係ということでしょうか。
▼イタリアで発展した海上保険
14世紀のイタリアでは、更に海上貿易が盛んになりました。大儲けが出来るようになったものの、古代ギリシャ時代と同様に嵐や海賊などに襲われて何割かは帰ってこない。毎回一か八かのギャンブルでもありました。商人たちは知恵を絞りました。そして航海失敗時には金融業者が積荷の代金を払い、成功した時には金融業者に手数料を払うという仕組みを作り出しました。こうして海上保険が発達しました。
大航海時代を支えた側面があるかもしれません。保険がなかったらコロンブスの新大陸発見もなかったかも。リスク減がフロンティア精神には大切なのかもしれませんね。
▼火災保険の誕生
火災保険についてはかなり明確でイギリスが発祥です。
1666年のロンドン大火がきっかけでした。4日間燃え続け、ロンドン市内の家屋のおよそ85%が消失する大規模なものでした。
過去の火災発生率や現在の建物数から保険料を算出するような火災保険が誕生しました。
この辺りから商売だけでなく、生活上のリスクにも対策が広がってきた言えるかもしれません。恐らく貴族や一部の商人等、限定的でしょうけれど。
▼損害保険の発展
産業革命後は、人々の生活も変わり産業規模も大きくなりました。新しい技術や産業の誕生に併せてリスクも多様化したために損害保険は種類を増やしていったようです。
■生命保険
▼商人たちの助け合いから始まった生命保険
中世ヨーロッパ(470年頃~1480年頃)の商人たちは、職業ごとに同業者組合「ギルド」を作っていました。このギルドでは冠婚葬祭など組合員の経済的マイナスを組合全体で分担し合っていたようです。この組合員を救済するシステムを生命保険の起源とする説があります。
相互扶助の精神ですね。保険(共済も含む)の仕組みと言えそうです。
▼牧師の作った保険
17世紀終わりごろのイギリスで香典前払い組合が生まれました。セントポール寺院の牧師で組合を作り、毎月一定額を出し合って、組合員(牧師)の葬式費用を捻出していたそうです。出し合う金額が年齢関わらず一定だったために、若い牧師は長く払っているのにもらえない、一方高齢者ほど少ない金額でもらえる仕組みでした。若い牧師から不興を買い、10年ほどでつぶれてしまいました。
牧師はプロテスタントで一般の信者と同じ扱い。神父(司祭の尊称)はカトリックで教皇をトップとする階級の一つのようです。ざっくりですけれど。
▼平準保険料によって近代的生命保険会社が誕生した
18世紀になると生命表が登場しました。生命表は人間の寿命を統計化したものです。作成したのはイギリスの天文学者エドモント・ハリー。(ハレー彗星到来を予測した方です)
この生命表を利用して、年齢別の死亡率に応じた平準保険料が考案されました。平準保険料により、契約期間中の保険料が一定になりました。ただし契約時の年齢や性別に応じて保険料は変わります。保険料を算出したのがジェームズ・ドドソンというイギリスの数学者です。
1762年に平準保険料を採用した初の保険会社エクイタブル社が誕生しました。
ドドソンはエクイタブル社設立に奔走したものの、設立前に亡くなったそうです。無念ですね。
■まとめ
250年前には近代的生命保険会社が誕生しました。これから日本に伝わるには更に100年以上を要します。そのあたりもnoteには書いていますので、こちらのブログでも追加していきます。
■担当より
現在週一で在宅勤務中です。息子がマウスを口に入れます。会社の備品なのに…。