年末調整の最終確認。その保険料を「実際に払っている」のは誰?

こんにちは、ウィルス性胃腸炎で一日3時間ほどしか起きていられなかった、ユナイトnote編集部です。
全く動く気がしませんでした。
今年はインフル、コロナ、胃腸炎とハードな年になっています。
2025年もあと一か月。
残りは無事に過ごしたいものです。
さて、年末になると振り返りの他にも行うことがあります。
その一つが年末調整。
我が家にも生命保険料控除の証明書が届いています。
その保険料を「実際に払っている」のは、どなたでしょうか。
実は、生命保険の課税関係では、契約者よりも保険料負担者(誰が払っているか)が最重要です。
本文では、死亡保険金と解約返戻金の課税関係を整理していきます。
✅ 結論
生命保険の課税関係は、保険料負担者との関係で決まります。
❓生命保険料控除
扶養の場合、保険料負担者の控除にすることができます。
控除証明書は契約者に届きますが、保険料負担者が年末調整・確定申告で申請します。
必要条件は、口座引き落としなどで負担者が支払っていることを証明できること。
以下、国税庁の質疑応答事例から抜粋します。
“【照会要旨】
当社の従業員Aは、妻Bが契約者となっている生命保険の保険料を支払ったとして、妻B名義の生命保険料控除証明書を添付した保険料控除申告書を提出してきました。当社で年末調整を行う際に、その保険料を生命保険料控除の対象としてよいでしょうか。
なお、その生命保険の被保険者及び満期保険金の受取人はB、死亡保険金の受取人はAとなっています。
【回答要旨】
Aがその保険料を支払ったことを明らかにした場合は、生命保険料控除の対象として差し支えありません。 (後略)”
国税庁「妻名義の生命保険料控除証明書に基づく生命保険料控除」より
「まあいちいち調べないだろう」で済ませたくなるかもしれません。
しかし、証明できなければ追徴課税+利息が発生する可能性があります。
企業側にも罰則が及ぶ場合があるため、正確に申請することを推奨します。
❓死亡保険金の課税関係
保険料負担者・被保険者・受取人の関係で変わります。
①保険料負担者=受取人
→ 一時所得(所得税)
お金は、負担者→負担者へ。
“自分で払って自分が受け取る”形です。
保険料負担者≠受取人の場合は、②か③になります。
②保険料負担者≠被保険者
→ 贈与税
お金は、負担者(生存)→第三者へ。
“自分が払ったものを誰かに渡す”形です。
③保険料負担者=被保険者
→ 相続税
お金は、負担者(死亡)→第三者へ。
“自分が亡くなった時に、自分で払ったものを誰かに渡す”形です。
※満期保険金は死亡要件がないため①か②になります。
❓解約返戻金の課税関係
解約返戻金は、基本的に契約者に支払われます。
①保険料負担者=契約者
→ 一時所得(所得税)
お金は、負担者→負担者へ。
自分で払って自分が受け取る”形です。
②保険料負担者≠契約者
→ 贈与税
お金は、負担者→第三者へ。
“自分で払ったものを誰かに渡す”形です。
なお、②のケースでも、解約前に契約者=負担者へ変更できれば、①として扱える可能性があります。
📝最後に
契約形態に応じて課税が変わる生命保険。
ややこしいですが、整理できれば不要な税負担を防ぐことにつながります。
なお、本記事は制度を一般的にまとめたものです。
個別事情で異なる場合があるため、迷ったら税理士や税務署へ相談されることをおすすめします。
年末調整のタイミングは、契約内容を見直す絶好の機会。
私も毎年、「これで良かっただろうか?」と自問自答しながら確認しています。
お忙しい中、最後までお読みいただきありがとうございました。
※注意点
• 記事内容の正誤に関わらず、読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。
• より正確な内容を知りたい場合は「■参考」などをご覧いただければと思います。
• 本記事は2025年10月時点の情報に基づいています。
• 税務に関する点の詳細は、担当の税理士や税務署にご確認ください。
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