保険金の受取は代表者一名。分配しない場合は法的手段の検討も。

こんにちは、ユナイトnote担当です。
死亡保険では受取人を指定できます。この時、複数名を指定することもできます。保険会社からの支払いは全員に行われるのでしょうか?
■保険金は代表者が受取り分配する
▼保険金の受取は代表者一名
生命保険金の受取人を複数名指定していた場合、実際の手続きでは原則として代表者一名に支払われます。代表者は受け取った保険金を他の受取人に分配する役割を担います。また受取人を法定相続人とした場合に、受取人が複数名いた場合も同様の考え方です。
▼代表者の選び方
代表者になるには、受取人全員の同意を得る必要があります。この同意は書面で行われ、署名と押印が求められます。代表者は通常、受取人、家族や信頼できる親族から選びます。
■代表者が保険金を分配しなかったら?
▼信頼関係を損ない、法的な争いになることもある
代表者が保険金を独り占めする、または分配を遅らせた場合、受取人との間でトラブルが発生することがあります。このようなトラブルは、家族間の信頼関係を損なうだけでなく、法的な問題に発展することもあります。
▼法的手段
代表者が保険金を適切に分配しない場合、他の受取人は法的手段を取ることができます。弁護士を通じて、代表者に対して保険金の分配を求める訴訟を起こすことが可能です。しかし、時間と費用と苦痛が伴うため、できるだけ避けたいものです。
▼民法上、受取人固有の財産
契約者と被保険者が同じ方で被保険者が保険料を支払っていた場合の保険金は、受取人の固有の財産とされています(昭和40年2月2日最高裁判所判決)。代表者のものではありません。代表者に預けているだけですので、基本的には法的手段によって返還させることが可能です。もし返してくれないなら個人的には預けた期間の利息も欲しいくらいです。
▼返還されなければ贈与
もしも返還をあきらめた場合には、贈与になると考えられます。金額にもよりますが、代表者には贈与税が、あきらめた受取人にも相続税が課される可能性があります。
■問題発生を防ぐためには?
▼事前の取り決め
代表者選任時に書面にサインをします。その前に、保険金の分配方法を事前に明確に取り決めておくことが考えられます。もしその代表者が信頼できないのであれば、サインせずに他の方が代表者になることで解決できます。ただし、誰か一人でも反対を続けると、いつまでも保険金をもらえない恐れも出てきますので注意が必要です。その場合には、事項にあるように個別に受取れないかの確認していただけると良いかと思います。
▼保険金を個別に受取る
受取人ごとに個別に支払う対応をしている保険会社もあります。代表者が決まらないなどの条件が必要な場合もあります。希望する場合には、保険会社にご確認いただければと思います。
▼信託の利用
未成年の受取人がいる場合や、代表者に不信がある場合は、信託を利用することも検討できます。信託を利用することで、第三者が保険金の管理と分配を行うため、トラブルを避けることが期待できます。
▼受取人は一契約一人にする
契約者が出来ることとして、契約を小分けにしておくという方法もあります。保険金額を小さくした保険を複数契約します。その際に受取人は一人ずつ指定します。こうすれば代表者は不要で、各々が手続きすることが可能となります。ただし、金額によっては保険料が割高になったり、契約できない場合もありますのでご確認いただければと思います。
■まとめ
保険金の受取人は複数名指定できます。受取時は代表者がまとめて受け取り、分配するのが一般的です。ただし分配に不安がある場合もあると思います。個別受取が可能な場合や法的には保険金は受取人固有の財産であるとされていますので、保険会社や弁護士にご相談いただければと思います。
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