がんになった時に納得できる治療方法を選びたい。無駄ではない、治療の基礎知識とセカンドオピニオン。

こんにちは、がんになるかもと思ってはいても「今ではない」と勝手に思っているUCnote担当です。
以前はならないとさえ思っていたため、住宅ローンの団信は死亡のみです(現在では、がんの保障もつけた方が安心だったなと思っていますが。)。 もし罹患が今ではなかったとしても、それでも知識を蓄えておくことは無駄ではないだろうと考えています。 それは「いざ選ぶ」ときに役立つと思うからです。
今回はがん治療を自分で選ぶことについてです。
■治療の比較 がん対急性心筋梗塞・脳卒中
治療に関する知識の必要性という観点から、がんと急性心筋梗塞・脳卒中を比べます。簡単に言うと、本人が治療を選べるか否かです。 以上の病気を選んだのは三大疾病(特定疾病や重大疾病)として、まとめられることが多いためです。ちなみに急性心筋梗塞・脳卒中は、心疾患や脳血管疾患と広くとらえることもあります(今回は急性として考えます。)
▼急性心筋梗塞・脳卒中
①倒れてから治療までの時間がほぼありません。 一刻を争います。
②医者が治療法を決めます。 四の五の言ってはいられませんし、本人に意識がないことも多いと考えられます。
▼がん
①発見から治療開始まで時間があります。 早い方が良いのは間違いないでしょうが、決断する猶予があることが多いと思われます。
②患者が治療方法を決めることができます。 相談したり探したり考えたりすることができます。
がんは進行性の病気のため、秒を争うようなことは少なく、治療計画を立てられる点が急性心筋梗塞等との大きな違いです。
では代表的な治療法にはどのようなものがあるのでしょうか。
■がんの治療方法は標準治療が基本です。
がんの治療では、標準治療(三大治療)と言われているものが基本とされています。 ただの延命と言われることもありますが、すくなくとも生命活動を維持するのに一定の効果が見込めるものとして広く認められているものです。 標準治療は、手術・化学療法・放射線治療です。
・手術:主に、がんそのものを切って取り除きます。
・化学療法:抗がん剤で、がんの力を弱めます。
・放射線治療:がんを滅します。
今回は放射線治療、その中の陽子線治療を取り上げます。
▼陽子線治療のメリットは体への負担が少ないことです。
なぜ陽子線を取り上げるでしょうか。それは、私が保険会社の研修で教わり、この治療が今のところ一番良いなと思ったからです。
陽子線治療のメリットには、
・副作用が少ない。 がん細胞以外への影響が少ないためです。
・一回の治療時間が着替えを含めて15分から30分と短い。
・体の負担が少ない。 体を切ったりせず、また治療中も数分寝ているだけです。
・年齢を問わない。 体の負担が少ないためです。
・すぐに社会復帰できる。 体の負担が少ないためです。
私が見た映像では、横になった男性の周りを機械がグルグル回っていました。7分ほどしたら一回の治療が終わっていました。これを一週間ほど行うようです。患者から「本当に治療しているの?」と質問されることもあるそうです。
▼陽子線治療は、より的確にがんを攻撃できます。
次に陽子線治療の概要です。 陽子線治療は標準治療の放射線治療に分類されます。 放射線治療は、光子タイプと粒子タイプの2つに分けられます。 光子タイプは、エックス線やガンマ線治療です。 粒子タイプは、重粒子線や陽子線です。
エックス線と陽子線を比較してみると、エネルギーをより的確にがんに当てられるかどうか、という違いがあります。 以下はイメージです。
エックス線は、100のエネルギーを出した時には、体表に100、体内のがんに60、貫通した反対の体表に50くらいのエネルギーが当たります。
一方陽子線は、体表に20-50、体内のがんに100、貫通はしません。 陽子線は、がんだけにより的確にエネルギーを当てられるため、副作用や体への負担を少なくできるようです。
▼陽子線治療のデメリットは、利用できないこと。
陽子線治療にもデメリットはあります。 健康保険適用の治療がまだ少ないことと、治療できる場所が少ないことです。 また、他のがん治療でも同様ですが、そもそも利用できないがんがあったり、医療機関による得手不得手もあるそうです。
特に健康保険が適用されない治療の場合、多額の治療費がかかることがあり、断念されることもあるそうです。ただ、保険適用の手術は増えてきており、また適用検討段階の先進医療や臨床試験中の治療を受けられる場合もあります。
■セカンドオピニオンについて
がん治療は、診断した医療機関やその紹介の専門家の意見から始まると思います。そこで決めることもあると思いますが、複数の専門家の意見を聞くことがベターだと考えます。なぜなら、がんの治療法は一様ではなく、また術後の体への負担も大きく変わるため、初期の対応が重要と言われるためです。医療機関による得手不得手もあるそうです。 自分で本やネットで調べることも重要な情報源だと思いますが、健康についての情報を冷静に判断するのは難しいものです。 聞くことでもしかしたら混乱してしまうかもしれませんが、それでもできるだけ、複数の専門家に意見を求めて納得できる方法を探ることが望ましいと考えます。
■保険の役割について
保険に出来ることは、経済的サポートです。 陽子線治療や抗がん剤など、非常に高額な治療や長期間の治療になることもあります。また仕事が制限され収入が減少することも考えられます。保険によって治療の選択と継続、収入を補てんすることなどの補助になります。
しかし、保険に出来ることは経済的サポートだけではありません。治療方針を決めるうえでセカンドオピニオンサービスが役立つこともあるかもしれません。がん保険や医療保険契約者に情報提供や治療の相談ができるサービスを行っている場合があります。 セカンドオピニオンをしようにも誰に聞けばいいかわからないこともあります。いざという時に聞ける相手がいる、というのは心強いのではないでしょうか。 実際にがんになったときに利用できるサービスも保険の役割になっています。
■最後に
今回はがん治療を自分で決めることについて取り上げました。内容は、生命保険会社の研修を元に構成しています。いろいろ教えてくれてありがたいです。
私は、薬が嫌いなため処方箋をもらっても薬に変えないこともありますが、それでも医療は医者任せという考えています。しかし最近読んだ『くもをさがす』という本で少し考えが変わりました。本を簡単に説明すると、著者自身がカナダで乳がんと診断され、そのままカナダで治療した実体験を基にした本です。日本とカナダの医療へのスタンスの違いが垣間見られます。改めて日本の医療の至れり尽くせり感を感じつつも、カナダの、自分の体は自分で守る・治療方法は自分で決める、という自由の精神には感銘を受けました。
自分で決める、というと医者や専門家の言うことを聞くな、とらえられるかもしれませんが、そうではありません。そもそもがんを発見してくれるのは医者ですから、医者の意見を聞くところから始まっています(AIが発展すればわかりませんが。)。専門家の意見は重みのある重要な一意見です。けれどもその意見にただ従うわけではなく、聞いたうえで選ぶのは自分であるというお話です。もちろん完全に任せるというのも選択の一つですので、信頼できる方の意見を聞いて納得できる治療を選んでいけたらいいなぁと思いました。
お忙しい中、最後までお読みいただきありがとうございました。知識と仕組みを使って、保険や制度を活用していきましょう。
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