代理店はなぜ“やたら丁寧”なのか?裏にあるコンプラの理由

こんにちは、「一にコンプライアンス・二に法令順守・三四は販売・五にコンプラ!」と言われ続ける昨今の保険代理店のひとつ、ユナイトnote編集部です。
今回は、「意向把握と意向確認」について取り上げます。
意向把握と意向確認は、保険業法に書かれた代理店の義務。
平たくいえば「お客様に合った提案をし、その内容をきちんと納得して契約してもらう」ための手順です。
お客様からすれば「丁寧な説明だな」という印象かもしれませんが、実はその裏で、代理店は法律と実務の両方にしっかりと縛られています。
意向とは?
難しそうに聞こえますが、要は「お客様が望む方向性」です。
たとえば:
・起きてほしくないリスク(病気・ケガ・災害など)
・老後に備えた資産準備
・家族にどうお金を残すか
お客様が「何を望んでいるか」を、最初にちゃんと押さえる必要があります。これが意向把握です。
意向把握と意向確認の流れ
お客様との会話は一見なごやかですが、代理店の頭の中はこんな感じです。
「いま言われた希望、最初の話とズレていないか?」
「提案内容は意向に合っているか?」
「契約直前、ちゃんと最終確認したっけ?」
表では雑談のような会話、裏では地道なチェック作業。これが意向確認です。
以下のようなプロセスで行われます。
① 意向把握
お客様の意向を理解するステップです。
・会話やヒアリングから推測
・アンケートや質問票による確認(弊社ではアンケートは実施していません)
② 提案と調整
意向に沿った提案を行い、必要に応じて調整します。
③ 最終意向の確認
提案後の最終的な意向と、当初の意向を照らし合わせます。
④ 意向確認
契約内容が最終的な意向と一致しているかを確認します。
把握すべき意向のポイント
意向把握では、特に次のような点を整理します。
1.保障分野の希望(死亡保障/医療保障/老後資金準備など)
2.貯蓄機能の必要性
3.保険期間・保険料・保険金額等の範囲や優先事項
「気付いたら全然希望と違う…」などということがないように、確認しあいながら進めていきたいところです。
意向の記録と保管
・代理店:日常の会話や要望から意向を文章として記録し、保管
・保険会社:チェック形式で記録
記録を残すことは、後日の認識違いの防止にも役立ちます。
法的な位置づけ
意向把握と意向確認は、丁寧な確認というだけではありません。実は、保険業法に定められた募集人の義務です。
~顧客の意向を把握し、これに沿った保険契約の締結等の提案、当該保険契約の内容の説明及び保険契約の締結等に際しての顧客の意向と当該保険契約の内容が合致していることを顧客が確認する機会の提供を行わなければならない。~
e-Gov法令検索 保険業法:第294条の2より抜粋
まとめ
・意向は「お客様が望む方向性」
・代理店は把握と確認を経て、契約内容をすり合わせる
・表向きは丁寧な説明、裏側は法令遵守の積み重ね
お忙しい中、最後までお読みいただきありがとうございました。
※注意点
・記事内容の正誤に関わらず、読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。
・より正確な内容を知りたい場合は「■参考」などをご覧いただければと思います。
・本記事は2024年11月時点の情報に基づいています。
・詳細は税理士や税務署にご確認ください。
■問い合わせ先
・保険の質問やご相談:お問い合わせフォーム
・Instagram:ユナイト公式アカウント
感想や質問などコメントいただけると嬉しいです。
■参考